ブランディングにおいて、企業やショップのイメージカラーを意識することは重要です。
もちろんその業種やショップの販売商品から来るイメージカラーというのは優先して考えるべきですが、
業種的にあまりイメージとなるカラーが無い場合もあるでしょう。
良い色とか悪い色は所詮「好き」か「嫌い」か
そんなときによく基準にされるのが、経営者が好きな色です。
ただ、ここで問題になるのはブランディングにおいて、単に好き嫌いでイメージカラーを決めていいのか
という点です。
よく「これはいい色だ」とか、「これは色が悪い」というような色に対する感想を耳にします。
また、店先などで「この色はダサイ」とか「この色はオシャレだ」という会話を聞くことも。
では、良い色とか悪い色、またはダサイ色とかオシャレな色とはどういう色のことでしょうか。
色というのは1色だけで見る限り、無彩色(白、グレー、黒)も含めて本来平等なものです。
「赤」より「ワインレッド」の方がオシャレだとか、「青」より「緑」の方が良い色だとかいうことはありません。
たまたまその色を見た人が「好きか」「嫌いか」だけのことです。
その人にとって気持ちよく見ることができるかそうでないかだけの違いです。
ただし、その色以外の色が隣に来たときに初めて「配色」という状態になり、
その色同志の相性が問題となるのです。
「配色」に関しては書き出すときりがなくなりますのでまた別の機会にしますが、
単色である以上は「ダサイ」とか「オシャレ」などと差をつけるのは「色」に対して失礼ではないでしょうか。
よく「流行色」とか「トレンドカラー」などといって1つの色をもてはやすことがありますが、
それとて情報誌が毎年作り上げているに過ぎません。去年トレンドだった色が今年は違う色が
トレンドになったので「ダサイ色」になるなどというのは、情報に惑わされてその色本来の魅力を
忘れてしまっているのではないでしょうか。
色にはそれぞれみんな個性があり、1つ1つの魅力があるのです。
自社の業務内容をよく考えてイメージとなるカラーを決める必要がありますが、
ロゴデザインを担当したデザイナーにその色はどういう意味を持つのかをちゃんと
説明させる必要があると思います。
その説明が十分に自社の存在意味や業務内容を語れているかをきちんと精査することが重要です。